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家主が自殺遺族に過大な損害賠償請求 全国自死遺族連絡会などは内閣府や民主党に法案化を近く要請
読売新聞:自殺遺族に家主「借り手ない」と1億賠償請求も(2010年9月27日14時39分)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100927-OYT1T00076.htm
 自殺者が12年連続で3万人を超すなか、「室内で自殺され賃貸住宅の借り手がない」などとして、遺族が家主や不動産会社から過大な損害賠償を請求されるケースが後を絶たない。

 不当な請求から遺族を保護しようと、全国自死遺族連絡会(仙台市・田中幸子代表)などは近く、内閣府や民主党に法案化を要請する。

 連絡会によると、一般に自殺があった賃貸住宅は「心理的瑕疵(かし)物件」と呼ばれ、借り手がつかなくなったり、家賃が大幅に安くなったりするため、損害賠償の対象になる。しかし、最近は遺族の混乱やショックにつけ込み、家主らが改修費などを過大に請求するケースが少なくないという。

 例えば、2008年に神奈川県内のアパートで一人暮らしの30歳代の会社員が自殺したケースでは、遺族が家主から部屋全体の改装費用200万円と5年分の家賃の補償金約500万円を請求された。納得できずに弁護士に相談し、200万円を支払うことで和解した。

 宮城県内では、アパートで自殺した娘の火葬中に不動産会社が押しかけ、おはらい料や家賃補償として計約600万円を要求され、実際に支払った例もある。アパート全体の建て替え費として1億2000万円を請求されたケースもあった。


「過大な」「不当な」「ショックにつけ込み」
これらが本当なら、たしかに遺族側は保護されるべきだとは思います。
また、自殺という選択肢を選んでしまった方は本当にお気の毒です。
ご遺族も大変ショックでしょう。

でも。
冷たいようですが、それは家主側には何の関係もないこと。
その後、その商品(部屋と建物)がどうなるかを考えれば、
家主側が請求する損害賠償が過大かどうかの線引き・法案化は簡単にはいかないのではないでしょうか。
上の記事は、あくまでも極端で悪質なレアケース(2008年の神奈川県のケースを除き)ですし。
この間成立した賃借人居住安定法のように、
あまりにも一方を保護しすぎていて、もう一方が泣き寝入り、
こうなってしまう可能性が高いのでは?と思います。

 ※2008年の神奈川の事例は内装費のみで和解したそうですが、良心的なケースと言えるでしょう。
 その後借り手がつくかどうかや、近隣入居者の状況、賃料を下げざるを得ない状況等の中、
 内装費のみということは、家主側がその後のリスクを承知で実費和解したのでしょうから。


オーナーさんや、関係する業界、組合の方々は要注視です。
出来れば、事前に動くべきでしょう。
具体的には、業界や組合単位で、党や議員に働きかけをするなどです。
(議員は意外と中身をきちんと読まずに署名したり賛成したりすることがあります。
例:賃借人居住安定法や国籍法改悪など)
法案化が悪いという意味ではなく、
一方を異常に保護するようなものは作るべきではない、
事前にどんどん意見を出し、双方が納得できるラインで作るべき、ということです。


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■追記

朝日:賃貸住宅で自殺 家主が遺族へ賠償請求相次ぐ 2011年9月5日15時0分
http://www.asahi.com/national/update/0905/TKY201109050183.html
 賃貸住宅での自殺をめぐり、遺族が貸主側から損害賠償を求められるケースが相次いでいる。「事故物件」として家賃が安くなる現実があるからだ。中には数百万円と高額になり、裁判になる例も。遺族からは、不当に高い請求を禁止するよう国に求める声が上がっている。

 福島県の自営業の男性(56)の長女(当時20)は2009年、神奈川県内の賃貸マンションで自殺した。男性は貸主から「8万円の家賃が半額近くになった」と訴えられ、減額分や原状回復費用として計約290万円を請求された。

 貸主側は「自殺があったことで嫌悪感を抱かれる欠陥物件になった」と主張。男性側は「科学的な根拠はない」と反論したが、東京地裁は今年1月、約160万円の支払いを命じた。新たにこの物件を貸した場合は2年契約となることから、2年余りの減額分などを損害額と認定した。


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by doumin | 2010-09-27 16:47 | 社会