外資による日本の森林・土地取得、水問題 2011年の動き

2011年の報道をまとめました。
2010年と2012年~のまとめ、問い合わせ結果、関連リンク一覧は
こちら
産経:外国人の土地取得規制 政府・民主、今国会で関連法整備 2011.1.20 09:13
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110120/plc11012009140054-n1.htm
北海道や長崎県・対馬(つしま)などで中国、韓国関係者らによる土地取得が進んでいる問題で、政府・民主党は19日、外国人や外国法人による土地取得を規制するための法整備を進める方針を固めた。民主党政策調査会が20日にプロジェクトチーム(PT)の初会合を開き、具体的な規制内容の検討に入る。政府はPTからの提言を踏まえ関連法の整備を進め、24日召集の通常国会での成立を図る方針。実効性が失われていると指摘されてきた法律の穴を埋め、安全保障上の懸念を払拭するのが狙いだ。
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法整備の対象となるのは、外国人土地法と森林法。
大正15年施行で現行法でもある外国人土地法は、外国人による土地取得に関する制限を政令で定めるとしている。戦前は国防上重要な保護区域を定め、外国人が土地を取得する場合、陸相や海相の許可を必要としていた。こうした保護区域は22都道府県に上っていた。しかし、終戦に伴いすべての政令が廃止されたため、法律の実効性が失われている。
PTでは政令で保護区域を設定することも含め検討する。同時に、法改正または新法で実態を把握できるようにする方針だ。また、森林法も改正し、森林を買収する場合は届け出制または許可制にする方向で調整する。
ただ、保護区域の設定に関しては「経済活動を阻害することになりかねない」との慎重論もあり、調整が難航する可能性もある。
外国人による土地取得をめぐっては、対馬で自衛隊施設に隣接する土地が韓国資本に購入されたことが判明した。全国各地で中国資本などが森林の買収を進めるケースも相次いでいる。
特に北海道では近年、外国資本による森林取得が急増。道の調査によると、外資の森林取得はこれまでに33件、計約820ヘクタールに上る。このうち最も多いのが中国の12件だった。自衛隊施設周辺や水源地にあたる森林が買収されるケースもあり、安全保障や公共秩序維持の観点から問題視する声が強まっている。
菅直人首相は昨年10月15日の参院予算委員会で、日本国内での外国人や外国法人による土地取引の規制について「ぜひ勉強して一つの考え方をまとめてみたい」との見解を表明。法務省に対し、防衛施設周辺などの土地取得の規制を検討するよう指示していた。
自民党も土地取得の規制に向けた検討を有志議員が進めている。
産経:外国資本による土地取得の実態調査へ 大畠国交相が明言 2011.1.21 12:23
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110121/plc11012112240083-n1.htm
大畠章宏国土交通相は21日、閣議後の定例記者会見で、中国関係者などの外国資本による日本の土地取得が進んでいる問題について、「まず実態を把握したい」などと話し、国交省として実態調査に乗り出す方針を明らかにした。
大畠国交相は、政府・民主党が外国人や外国法人による土地取得を規制するための法整備を進めるためのプロジェクトチームを発足させたことについて「あまり想定していない事態。国交省も連携してやっていく」と述べたうえで、「(中国関係者が)水源を買っているという話は聞いている。実態が分からないと対策は取れない」などとして、土地取得の現状について把握する必要があるとの認識を示した。(後略)
毎日フォーラム:密かに進む外資による水源林の買収 2011年02月10日(木)
資源保全、安全保障に無防備な土地制度
特集[日本の森が危ない!?]
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2059
産経:外資の土地取得 水面下で進行 企業買収・経営参画…法規制の整備急務
2011.2.10 02:00
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110210/crm11021002010004-n1.htm
中国系をはじめとする外資による土地買収が相次いでいる問題で、外資が表面に出にくい形での土地取得が進んでいることが、シンクタンク「東京財団」がまとめた報告書で明らかになった。土地を所有する日本企業を外資が買収しても、土地取得時しか届け出る必要がないため、外資所有と判明しないケースなどがあるという。法の隙間を縫って進められる外資の土地取得に、専門家は「実態に合った法整備が必要だ」と警鐘を鳴らしている。
報告書「日本の水源林の危機III」が指摘したのは、北海道や鹿児島などでの買収例だ。
北海道伊達市と壮瞥町との境界に広がる700~800ヘクタールの森林を所有・運営していた日本のゴルフ場企業が経営に行き詰まり、昨年7月、中国人実業家の企業に買収された。
しかし、国土法で所有者を届け出る必要があるのは、新たな所有者が土地を取得したときのみ。この森林の場合は、買収されても所有する企業名が変わらなかったため届け出は必要なく、「外資の森林取得」とはされなかった。
鹿児島県では大連や上海、台北などと関係が深い海運会社グループが奄美大島一帯の山林買収を進めている。グループは日本人の同族経営だったが、中国人役員が経営参画。その後、事業拡大が図られた。
経営陣に外国人が入って主導権を握っても、企業の体裁が変わらない限り、日本企業として扱われる。
グループは木材チップを生産するために、奄美大島の森林を伐採する計画を地元に提案。地元の反対に遭ったが、現在も奄美大島の森林全般を伐採対象にし、現地の山林買収を進めている。
北海道日高町では、アラブ首長国連邦(UAE)の企業の日本での現地法人が農業生産法人を新設。周辺の生産法人を次々子会社化し、少なくとも道内7牧場を買収しているが、農地の売買を定めた農地法に外国人や外国法人について規定がないため、問題化されていない。
外資の土地買収に対し、自民党は水源地買収への対策法案を策定。民主党もプロジェクトチームで法規制を検討し、地方でも水源地を自治体で買収したり、水源保全のための独自の条例つくりも盛んだが、規制の中身は届け出強化などにとどまっている。
東京財団は「買収したり、経営陣に参画したりと、外資がさまざまな形で日本企業に入り込んでいるのに、法や制度が対応できていない。届け出強化だけでなく、土地制度のあり方全般への国の取り組みが重要だ」と話している。
産経:自民有志議連、外国資本による土地取得の制限目指す初会合 2011.2.10 18:25
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110213/crm11021300310000-n2.htm
安倍晋三元首相ら自民党有志議員による「安全保障と土地法制を研究する議員の会」(会長・山谷えり子参院議員)は10日、国会内で初会合を開いた。長崎県・対馬で自衛隊施設に隣接する土地が韓国資本に購入された問題などを受けて、国防上必要な土地の取得に一定の制限をかける議員立法を今国会に提出することを目指す。
産経:「水源地権利」投資詐欺相次ぐ 「中国から日本守る」愛国心を逆手 2011.2.13 00:30
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110213/crm11021300310000-n2.htm
産経:「水源が危ない」 狙われた最上川の源流 外国人が森林購入 2011.2.19 23:24
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110219/crm11021923240018-n1.htm
北海道知事選挙 4氏の公約出揃う 2011-03-11
http://doumin.exblog.jp/13104190/
北海道知事として画期的な回答を述べていた高橋はるみ氏は、
2011年4月の知事選で勝利し、3期目となりました。
公約にはしっかりと「森林や水資源を守る条例整備」が。
岐阜新聞:新年度予算案を可決 県議会閉会、震災犠牲者に黙とう 2011年03月17日17:00
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20110317/201103171700_13304.shtml
(抜粋)
意見書は外国資本による森林の買収問題に対する適切な対応を求める意見書など2件を可決。
「日本は汚染された」中国人が買い占めていた日本の土地を手放し始めている[2011年04月13日]
http://wpb.shueisha.co.jp/2011/04/13/3963/
4月12日、とうとう福島第一原発の放射能漏れ事故は、その危険度を示す度合いが、最高である「レベル7」に引き上げられた。これに並ぶのは、もはや1986年のチェルノブイリ原発事故しか存在しないため、「過去最悪レベルの原発事故」と認定された形だ。
海外でもこのニュースは速報として伝えられ、さらに注目が高まっている。そんななか、こうした報道が思わぬ影響を及ぼしている問題がある。
「震災前までは、日本の山林を中国人が買い漁っていたという報道がよくされていましたよね。彼らの目的は日本のキレイな水を得るための水源と、将来的にCO2(二酸化炭素)の排出権を売買するための森林を得ることでした」(農林水産省のキャリア官僚・T氏)
昨年末に報道された、中国人による日本の土地買い占め問題のことだ。具体的に対象となっていたのは、北海道や富士山周辺など自然が多い地域。しかし、そんな中国人たちが、震災後の放射能汚染問題により、その土地を手放し始めているという。前出のT氏が、こう証言する。
「今回の原発事故で、日本中が放射能に汚染されてしまうかのような誤解をする中国人が増えた。そして、彼らは売却を始めたのです」
日本ではあまり取り上げられないが、水は一大ビジネスとして将来的には100兆円以上の市場規模を持つとされ、各国の利権争いが激化している。中国人による日本の土地買い占めもこうした需要を見込んでの行動と見られ、農林水産省は危機感を抱いていたという。
これも風評被害の一端なのかもしれないが、日本のためには結果、良かったのかもしれない。
道新:地下水保全条例が成立 ニセコ町 「水源保護」も(04/28 11:30)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/289117.html
【ニセコ】後志管内ニセコ町議会は27日、臨時町議会を開き、地下水の大量採取を事前許可制とする地下水保全条例案と、水道水源保護条例案を全会一致で可決した。道によると道内自治体が同様の条例制定で規制の強い許可制にまで踏み込んだ例は初めて。5月1日から施行され、両条例とも違反行為には罰金などが科せられる。
海外からの投資やリゾート開発、山林の購入などが進む中、水質汚染や水源の枯渇を防ぎ、水環境を守る狙い。片山健也町長が今年1月、条例制定の考えを表明していた。
<北海道新聞4月28日朝刊掲載>
東奥日報:保安林指定で外資買収対策/県 2011年5月4日(水)
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2011/20110504110023.asp?fsn=eb33f76037153e93cde084f7e7644d6f
外国資本による森林買収が北海道などで相次ぐ中、県は民有林の所有者に対し、水資源確保などで重要な場所にある森林は「保安林」に指定してもらうよう、市町村を通じて働き掛ける対策に乗り出している。保安林は伐採などの際に事前許可が必要なため、開発行為を規制することで森林資源を守るのが狙い。ただ、売買そのものの規制は現行法上は難しく、抜本策は打てないため、森林法改正など国の動向を注視しているのが現状だ。
外国資本による森林買収は、森林資源や水利権をめぐる問題をはじめ、軍事施設や自衛隊施設に近い場所の場合は安全保障の問題にもなり得る。
林野庁が2010年12月にまとめた調査では、外資による森林買収は北海道で29件、神戸市1件の計574ヘクタールに上る。11年2月には山形県で売買事例が明らかになった。
県が10年4月と11年1月に県内各市町村と森林組合に行った聞き取りでは、同様の事例は見つかっていない。
県は今春、地域県民局の担当者に対し、地域で重要と考える森林は保安林指定に取り組むよう伝えた。保安林に指定した場合、開墾等で土地の形質を変更したり立木を伐採する場合は事前に都道府県知事の許可が必要になる上、伐採後の植栽が義務付けられる。
指定により所有者にとっては固定資産税が免除されるなどメリットがあるが、その一方で利用が制約されるため、所有者の同意を得るのに困難が予想される。また、外資による売買そのものは民法上の規制がないため、県レベルでの制限はできないという。
県林政課の野呂公課長は「抜本的対策は難しいが、現行法の範囲内で可能な限り対処していきたい」と話す。
来年4月に施行される森林法一部改正は、新規の森林所有者の届け出を義務化する。罰金は最高10万円。林野庁森林整備部の担当者は「改正の目的は、森林の管理・利用上、土地所有者を明確化すること。外国資本を狙い撃ちしたわけではないが、売買をチェックできるようにはなる」と話した。
保安林
水源のかん養、土砂流出防止、景観保存など目的によって17種類あり、国または都道府県が指定する。指定された場合、税金免除などの特例措置がある一方、立木伐採や土地の形質変更などはあらかじめ許可が必要になる。県内の保安林は2011年3月末現在、38万7455ヘクタールに上る。内訳は国有林33万6228ヘクタール、民有林5万1227ヘクタール。
林野庁:外国資本による森林買収に関する調査の結果について 平成23年5月11日
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/keikaku/110511.html
平成22年1月から12月までの期間における外国資本による森林買収について、林野庁と国土交通省が連携し、国土利用計画法に基づく土地取引の届出情報を参考にする等により都道府県を通じて調査を行い、確認された事例は次のとおりです。
産経:地外国資本の森林買収、昨年は計約45ヘクタール 半数以上が中国 林野庁など発表
2011.5.11 21:04
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110511/trd11051121060018-n1.htm
外国資本による日本の土地取得が進んでいる問題で、平成22年中に居住地が外国にある外国法人・外国人に買収された日本国内の森林は4道県で10件計45ヘクタールにのぼることが11日、国土交通省と林野庁が実施した調査で分かった。21年中(363ヘクタール)と比べると取得面積は大幅に減っているが、北海道で中国資本による取得が目立っており、同庁は「適正な利用がなされているかどうかチェックしていく」としている。
調査は、国土利用計画法に基づき、市町村に届け出があった土地取引情報を都道府県を通じて集約する形で実施。最も多かったのは北海道の森林で、蘭越、ニセコ、倶知安の3町で7件計31ヘクタールが取得されていた。
うち6件が中国(香港)の法人・個人によるもので、残りはギリシャの個人。利用目的は資産保有・販売や別荘、住宅などとなっている。
そのほか、シンガポールの個人が資産保有などの目的で山形県米沢市の10ヘクタールを、英領バージン諸島の法人が別荘などの名目で神奈川県箱根町で0.6ヘクタール、長野県軽井沢町で3ヘクタールをそれぞれ取得していた。
外国資本による土地取得をめぐっては、政府が法規制の強化などを目的としたプロジェクトチームを発足。新規に森林を取得した際には市町村に届け出ることを義務づけた改正森林法が今国会で成立し、来年度から施行される。
山形新聞:外国資本の森林買収、米沢など10件 2010年、林野庁発表
2011年05月12日 11:37
http://yamagata-np.jp/news/201105/12/kj_2011051200245.php
林野庁は11日、外国資本による森林の買収が2010年に本県など4道県で計10件あったと発表した。買収面積は計45ヘクタール。林野庁は不適切な伐採や開発につながらないよう、森林法が順守されているか注視していく方針。
地域別では、北海道蘭越町が3件、同倶知安町、同ニセコ町が各2件、米沢市、神奈川県箱根町、長野県軽井沢町が各1件。土地を取得した個人または法人の国・地域は、香港6件、英領バージン諸島2件、シンガポール、ギリシャ各1件。利用目的は資産保有や別荘用だった。森林の所有法人が外資企業に買収されたケースなどは集計していない。米沢市のケースは、シンガポール在住の個人が同市簗沢の山林10ヘクタールを資産保有の目的で買収したもの。
外資による森林の売買をめぐっては、無秩序な伐採で水源地が損なわれることなどを懸念する声が上がり、今年4月の森林法改正で、森林を新たに所有する場合の市町村長への届け出義務が盛り込まれた。
国土利用計画法に基づく土地売買の届け出情報などを参考に、都道府県を通じて調査した。
読売 山梨:外資の水源林購入警戒(2011年7月3日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/feature/kofu1305381587174_02/news/20110702-OYT8T00908.htm (魚拓)
「顔見えぬ」地元に不安
外国資本による森林買収が全国で相次いで発覚している。中には水源地を含む森林もあった。山梨県での事例はまだ確認されていないが、県や自治体は外国資本の流入に警戒感を強めている。ただ、個人や企業など民間同士の土地取引のため、予防策を講じるのは難しいのが現状だ。(松本将統)
◆源流が水育む 植樹と間伐の手入れが行き届き、枝葉の間から降り注ぐ木漏れ日。小菅村で林業を営む木下大吉さん(49)が所有する3ヘクタールの森林には、ヒノキやスギなどが約5000本植えられている。
木下さんは2年前、3ヘクタールのうちの2ヘクタールを東京の企業に貸し出した。企業の社員がボランティアで毎年春にナラやケヤキなどの広葉樹を植樹し、秋には間伐を行う。木下さんは「健全な森であり続ければ、今後手放すことも考えないだろうし、外国の資本も狙ってこないはず」と力を込める。
小菅村は森林が約95%を占める。村は「多摩川の源流」という資源を生かした村づくりを進める。降矢英昭村長が会長となり、木曽川源流の木祖村(長野県)や四万十川源流の津野町(高知県)など、河川の源流地域の全国14町村で「全国源流の郷協議会」を組織。昨年12月には外国資本による水源地購入への法的規制の確立や国産材の需要拡大などを国へ要請した。降矢会長は「源流域は水を育む重要な地域。各機関で連携していきたい」と話す。
◆目的は「転売」 林野庁によると、2006~10年で居住地が海外にある外国法人または外国人が森林を取得した事例は、全国で40件報告され、買収面積は620ヘクタールに上る。目的は「資産保有や転売」が多かった。40件のうち36件が北海道で、ニセコ町では11件27ヘクタールが買収された。
同町によると、町内15の水源のうち5か所が民間所有で、そのうち2か所がマレーシア資本。町は将来的に外国資本の水源地約4000平方メートルも含めて民間が所有するすべての水源を町の公有地にしたい考えだ。
また、「保護区域」を設けて水源地の開発を規制する条例と地下水のくみ上げを許可制にする条例を5月に施行した。同町企画環境課は「行政側で水源地を守っていく努力が必要」と指摘する。
◆購入規制できず 来年4月に施行される改正森林法では、現状では必要ない1ヘクタール未満の森林売買でも市町村に届け出が義務づけられる。
売買の実態をより把握しやすくなるが、県森林整備課の金丸悟副主幹(45)は「届け出はあくまでも事後で、森林を購入する行為までは規制できない。林業関係者から得られる事前の情報に頼る部分が大きい」と頭を抱える。
小菅村源流振興課の中川徹主任(30)も「仮に外資が入り込んできたとしても、現状でどのように対処すべきなのか分からない。日本人、外国人問わず、顔の見えない人物に所有権が移ってしまうことは不安だ」と話す。
一方で、静観する構えの自治体も。横浜市の水源地となっている道志村の担当者は「外国資本による森林購入の動きがまだない中で対策を考えても仕方がない。そもそも森林などの土地売買は民間同士の取引なので行政の権限が及ぶ話ではない」と語った。
民間の政策研究機関「東京財団」は「行政が土地の所有と利用の実態を正確に把握できておらず、利用規制も緩い。本来は『公共財』であるという認識に基づいた土地所有のあり方を考えていく必要がある」と指摘している。
◆森林の資産価値守る 流域一体で取り組み
小菅村が2001年に設立した「多摩川源流研究所」。所長の中村文明さん(63)に源流域での森林活動について聞いた。
――外国資本の流入をどう防ぐのか
多摩川の源流である小菅村の3分の1は東京都の水源地。森林に囲まれた村だけに、当然、水源地が外国資本の手に渡ることには警戒感をもっている。外国資本の流入を防ぐには、森林の資産価値を落とさない努力が必要ではないか。持ち主が手入れをしない状態が続けば、森林が荒廃し、森としての価値が失われ、結果的に外国資本につけ込む隙を与える。
――研究所はどのような活動をしているのか
源流の資源の調査・研究に加え、多摩川下流の地域と交流し、水源地の森林に目を向けてもらうような取り組みを実践している。東京都狛江市や川崎市など多摩川流域で暮らす親子や市民団体などに働きかけて、ボランティアで森林の間伐を手伝ってもらっている。
01年に始めた「源流体験教室」は毎年1700人近くが参加する。子どもたちには沢登りなどで、日頃口にしている水を育む源流の自然を肌で感じてもらっている。また、荒廃した森林を再生するプロジェクトも企業とともに進めている。
――森林の価値をどのように維持するのか
多摩川の源流から河口までの地域が一体となった取り組みが、森林の価値を保ち、外国資本から水源地を守ることにつながるはず。豊かな水を確保し、きれいな水を下流に届けられるよう、これからも源流の森を元気にする取り組みをコツコツと続けていきたい。