ダイヤモンド・オンライン:福島県産米から基準越えセシウムが検出 コメ検査体制に突きつけられた疑問符 2011年11月25日 09時15分
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20111125/Diamond_20111125001.html
11月16日、福島県は福島市大波地区で生産された玄米から、630ベクレル/kgの放射性セシウムが検出されたと発表した。食品衛生法の暫定規制値500ベクレル/kgを超える値がコメから検出されたのは、今回が初めてだ。
今回の事態は、国の検査だけでは心配と、生産者が地元のJA新ふくしまで行った自発的な簡易検査の結果明らかになった。
福島県産のコメに対する放射性セシウム検査は、10月12日にすべて終了。翌13日には佐藤雄平・福島県知事が「安全宣言」を行ったばかりだった。国が定めた検査体制の“外側”で発見されたことで、検査の有効性そのものが揺らぎかねない事態となってしまった。
政府はコメについては「作付け制限」「予備調査」「本調査」と、他の農産物よりも厳格な三重の検査体制を敷いていた、はずだった。その内容はどのようなものだったのか。図を見て欲しい。

まず、4月に田に水を入れる前に 土壌からセシウムが5000ベクレル/kg以上検出された地域でコメ作付の制限を行った。この結果、福島第一原発から半径30km圏内の約9000ヘクタール、農家戸数7000戸で今年はコメは作られていない。 さらに9月から予備調査が行われた。これは、土壌中のセシウム値か、空間放射線量が一定値以上となった自治体を対象に、収穫前の稲を抜き取りサンプル調査を行うものだ。
ここで200ベクレル/kgを超えた自治体は、抽出数を増やし、収穫後に出荷を待つコメを対象に本調査を行う。ここで暫定規制値の500ベクレルを超えたものが出ると、自治体単位で出荷停止となるという流れだ。
福島県でもこの流れに則り、9月中に449地点で予備調査が、10月12日までに1174地点で本調査が行われた。その結果、県内の48の市町村のうち、予備調査時点で500ベクレルが検出され、本検査で細かく検査をされる対象の「重点検査地域」となったのは二本松市1市だけだった。二本松市でも、288地点で調査した結果、規制を超えるセシウムは検出されず、コメの出荷が開始された――という経緯がある。
だが、この検査体制には当初から“穴”が多いとの指摘が多かった。
まず、具体的にどこを調査するかは、最終的には市町村や現地農協関係者が決めていたという点。 福島県では、各市町村に対して文部科学省が作成した空間放射線量の分布図に従い、最も高い地点で測定するように依頼していたという。
だが、仕組みの上では、より低い点での計測をしようとすればそれができてしまう体制にあったわけだ。
さらに、調査ポイントの少なさだ。重点調査地域ですら、検査地点の数は15ヘクタールに2地点だった。甲子園球場5個分に相当する広さの中から1点は、少なすぎるのではないか、という学識経験者の声は強かった。
また厄介なことに、今回、当初想定以外の汚染経路の可能性もでてきた。これまで前提とされていたのは、原発事故直後に田に落ちた放射性物質による土壌からの汚染が主だった。今回、基準越えセシウムが検出された農家の畑は、山から水が流れ込む位置にあり「山の木の葉に付着したセシウムが落葉とともに水田に流れ込んだ可能性が強いのではないか」と宮崎毅・東京大学教授は指摘する。
そもそも、田には収穫前に水を抜かれるまで、水が張られている。ここに山の湧き水や上流の用水路からの水の流入などが起こり、ホットスポット(部分的に放射能数値が高いエリア)が発生する可能性は他の作物より高いといえる。
本来であれば、こうした可能性を考慮に入れ、専門家の知見を入れて検査地点の決定や、ホットスポット化する危険性のある箇所の重点調査などを行うべきではなかったのか。
福島県農家の被害は深刻極まりない。生産者は安全宣言を受け、コメ卸や農協などにコメを出荷したものの、「今回出荷停止となった大波地区以外のコメですら、市場から買い手がつかず農協の倉庫から全く動いていない状況。エサ米として売ろうとしてもダメ。このコメは全く売れないのではないか」(二本松市内の農家)という。
福島県は大波地区の収穫米について、全袋調査を行うほか、伊達市など4市12地区で一戸一袋を調べるなど追加調査を行うことを決めるなど、対応に追われた。
検査体制を策定した農水省の見通しの甘さは問われてしかるべきだ。鹿野道彦農林水産大臣は検査体制の見直しについて「厚生労働省や福島県と協議する」と表明するにとどめたが、コメ検査体制への信頼が根本から崩れようとしている中、国として抜本的な体制の見直しは必要不可欠なのではないか。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木洋子)
今回のお米に限ったことではありません。
基準値超の様々な食品が既に店頭で販売されていたことは、これまでも何度もありました。
さらに、検査手法は穴だらけ。
こんなことを繰り返せば、
検出されなかったものや大幅に下回っているものでも、
「○×産」というだけで避けるようになるのは分かりきってる。
風評被害を、国が自ら生み出しています。
そもそも、暫定基準値自体が(高すぎて)異常だと海外では言われているのに、これもそのまま。
私たちは一体何を信じれば良いのでしょうか。
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■関連記事
読売:乾燥キクラゲ規制値超セシウム検出、回収要請(2011年11月18日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukushima/news/20111118-OYT8T00035.htm
県は17日、会津若松市で栽培、加工された乾燥キクラゲから暫定規制値(1キロ・グラムあたり500ベクレル)を上回る550ベクレルの放射性セシウムが検出されたとして、同市内の個人の加工業者に出荷自粛と自主回収を要請した。
乾燥キクラゲの自主回収などは県内で初めて。
回収の対象は、9月30日から11月11日にかけて出荷された20グラム入りと50グラム入りの計783袋で、卸売市場などを通じて同市など県内の12店で販売された。業者がこれまでに90袋を回収している。
時事:福島産乾燥キクラゲからセシウム=厚労省(2011/11/19-00:48)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201111/2011111900015
厚生労働省は18日、福島県会津若松市で生産された乾燥キクラゲから、食品衛生法の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える550ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。キクラゲから規制値超の放射性物質が検出されたのは初めて。今回規制値を超えたキクラゲは市場に流通しており、同県は生産者に自主回収を要請しているが、一部は既に消費された可能性がある。
日経:乾燥キクラゲから規制値超えるセシウム 会津若松産 2011/11/19 9:23
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C889DE1E4E4E3EBE
0E6E2E3EBE3E3E0E2E3E39191E2E2E2E2;at=ALL
福島県は、同県会津若松市の農家が栽培し、加工した乾燥キクラゲから、国の暫定規制値(1キログラム当たり500ベクレル)を超える同550ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。この乾燥キクラゲは包装部分に「あらげ きくらげ 会津産」のラベルが張られ、計783袋(約16キロ)が9月30日以降、県内の12店舗で販売された。県は出荷自粛を要請し、栽培農家が自主回収を急いでいる。〔共同〕
厚生労働省:食品中の放射性物質の検査結果について(第250報) 平成23年11月18日
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001vo6r.html
1 自治体が公表した放射性物質の検査結果
北海道、岩手県、宮城県、茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、港区、神奈川県、新潟県、金沢市、山梨県、京都府、島根県、島根県
※暫定規制値超過
No.351:埼玉県産製茶(Cs:1,300Bq/kg)
検査結果(PDF:156KB)
2 緊急時モニタリング検査結果等
※暫定規制値超過
No.88:福島県産乾燥ドクダミ(Cs:3,400Bq/kg)
No.117:会津若松市産乾燥キクラゲ(Cs:550Bq/kg)
No.120:郡山市産乾シイタケ(Cs:1,020Bq/kg)
No.121:いわき市産乾シイタケ(Cs:3,100Bq/kg)
No.123:喜多方市産乾シイタケ(Cs:910Bq/kg)
No.127:西郷村産乾シイタケ(Cs:1,170Bq/kg)
No.129:矢祭町産乾シイタケ(Cs:850Bq/kg)
福島県での緊急時モニタリングの結果等(野菜類、牛肉、穀類、その他)(PDF:75KB)
(参考1)
食品中の放射性物質検査の結果について(概略)(PDF:81KB)
(参考2)
原子力災害対策特別措置法に基づく食品に関する出荷制限等(PDF:263KB)
(参考3)
特定の農家から出荷された牛の肉の流通調査結果について(PDF:54KB)
賛否両論あった福島TV退社女子アナ 取材を受ける予定はなし
2011.12.01 16:00
http://www.news-postseven.com/archives/20111201_73339.html
(抜粋)
<福島と金沢を行き来する。「東北新幹線で途中、マスクをするのが戦場に帰るために切り替えるスイッチ」だった>
<福島駅近くでサクランボをほおばる幼稚園児の話題。洗わないまま『おいしい』と言って食べる“安全性”のアピール。「これって放送していいの?」と思わずにいられない>
福島テレビを7月に退社した元アナウンサー、原田幸子さん(37)の告白が話題を集めている。
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