外資による日本の森林・土地取得、水問題 2012年の動き(6) ※11月~12月

2012年11月~12月の報道をまとめました。
2010年、2011年、2012年1月~10月、2013年以降のまとめ、問い合わせ結果、関連リンクについては、このページ下部に掲載しています。
中国など海外勢が狙う日本の水、森林買収進む-温暖化で世界的に不足
更新日時: 2012/11/06 08:37 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MD04GT6K50XS01.html
11月6日(ブルームバーグ):北海道真狩村でミネラルウォーターを販売するジャパン・ミネラルの小熊盛弘社長の元には、外国人投資家が同社を買収したがっているとして、一時期、毎日のようにブローカーから照会の電話が掛かってきた。小熊氏は「金額はいくらでもいいという話が多かった。要するに水利権が欲しかったのだろう」と振り返る。
取得目的や届け出などの規制が緩やかな日本の土地取引。その間隙を突いて、中国など外国資本による格安な森林取得が目立っている。世界的な飲用水の獲得競争が背景にある。
日本不動産研究所の調べでは、林地価格(山林から木を除いた価格)は今年3月現在、1平方メートル当たり約47円。輸入材の増加で木材価格が急落したのを背景に、林地も下落し、ピークだった1983年の89円の約半分になっている。一方、林野庁が把握した限りでは、2011年の外国人の森林買収は157ヘクタール(14件)で、前年の45ヘクタール(同10件)の3倍以上。06-10年の5年間の累計では620ヘクタール(40件)で、このうち北海道が約600ヘクタールを占める。
森林取得の背景にあるのは、地下に豊富に蓄えられた上質な水資源の存在だ。国連の報告書によると、水資源のランクで日本は上位10%に入っているのに対し、人口増の続く中国やインドは30年から水不足に陥る。経済協力開発機構(OECD)は温暖化による水不足で、同年には水不足に直面する人口が10億人増えて39億人に達すると警告。東京財団の平野秀樹上席研究員は、水の獲得競争がさらに激化する可能性を指摘する。
中でも北海道は外国資本による森林買収が集中している。道の経済調査・土地水担当局長、三戸部正行氏によると、道独自の調査で把握した外国人の森林取得件数は57件で、このうち中国が21件を占める。また、英国領バージン諸島が9件だが、「これは税の関係でここに登記しているので、ほとんどが香港の方と聞いている」と話す。残りはシンガポール8件、オーストラリア5件などとなっている。
日本の水
富士山の麓に広がる静岡県富士宮市。地下に眠る豊かな水源を求めて、さまざまな企業の飲料水工場が点在する。もともと繊維業を営んでいたセブンイエロー(京都市)は、中国人の出資者から持ち掛けられて、この地で自社ブランドの飲料水工場を立ち上げた。
吉田勝久社長によると、ペットボトル(500ミリリットル)の販売価格は日本向けが100-120円なのに対し、中国向けは150-200円と高く、中国向けの輸出は多い月で約8割を占めるという。
尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題をめぐって日中関係が悪化する中、冷ややかな目で見られがちだが、吉田社長は「問題なのは森林がなくなること。保全につながるのであれば、だれが森林を買おうとも問題はないはずだ」とし、中国資本が入っているからといって問題はないはずだと強調した。
11年にシンガポール人による43ヘクタールの土地取得が行われた群馬県嬬恋村は、地下に眠る水資源は地元にとって重要な資源だとし、土地取得を阻止するための条例制定など対応を急ぐ方針を表明した。
土地取引規制の強化
外資による森林買収増加を受け、北海道は水源となる土地の取引については、事前届け出を義務付ける水資源保全条例を独自に施行した。4月に施行された改正森林法で森林取得の事後届け出が義務付けられたが、これでは取得者の事前チェックができなかった。高橋はるみ知事は先月18日、外国特派員協会で記者会見し、「森林の大規模な取得で、かつ目的が明らかでないものは阻止していかないといけない。魅力的な北海道を守るべきだ」と強調した。
高橋知事は森林取得のための事前届け出に基づいて、「利用方法などについて助言をする。買い手が助言に大きく外れるような場合は、氏名を公表する」と話した。条例は中国など「一定の国を狙い討ちしたものではない」と付け加え、今後こうした動きが山梨県や長野県などを含めて全国に広がっていく可能性があるとの見方を示した。
海外では土地取引の届け出強化にとどまらず、食糧安全保障などの観点から用途によっては外国人による取得制限をかけている国もある。東京財団のレポート「失われる国土」によると、ブラジルでは農産物の大量流出を恐れて10年に外国人の土地所有制限が強化された。また、規制の少ないとされる米国でも、オレゴン州の空軍基地付近の土地に風力発電施設を開発しようとした中国人の動きを、オバマ大統領が阻止し、中国企業側による訴訟騒ぎに発展している。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 桑子かつ代
サーチナ:中国人による日本の土地購入を防げ 各地で立法化(1)=中国報道
2012/11/08(木) 08:42
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1108&f=politics_1108_001.shtml
中国網日本語版(チャイナネット)は7日、中国人による山林や過疎地の購入を阻止する動きが日本各地で見られると報じた。以下は同記事より。
山林が生い茂る北海道。外国人が土地を購入しにくくなる法律が、議会を通過した。本州のいくつかの県でも審議中である。背景には、中国の投資家が最近、ニセコ周辺の山地などの山林を購入したことにある。
埼玉県や群馬県、茨城県などでも、同様の法律が作られようとしているほか、山形県や福井県、長野県、山梨県などでは、同様の条例を制定することを検討中だ。日本では、中国や中国人投資家に対する敵意が強まっていたが、釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)の争いがエスカレートするに従い、このような感情もさらに強まっているようだ。
北海道の高橋春美知事は、これらの法律は川沿いの土地を買う人に申請許可証を要求するもので、中国人を対象にしたものではなく、日本人にも適応されるものと説明する。「これは外国投資を対象にしたものではなく、水資源の保護が目的だ」。
新しい条例では、売買取引の3か月前に自治体に知らせなければならないうえに、その土地に関する詳細な開発計画を自治体に告知する必要がある。適応される土地は、水が集積する地域のすべてであり、北海道全体の約70%にあたる。
たとえ北海道が支持しなくても取引の継続は可能だが、高橋知事は「北海道が投資に反対していることを道民に知らせるだろう」と述べた。(つづく)(編集担当:米原裕子)
サーチナ:中国人による日本の土地購入を防げ 各地で立法化(2)=中国報道
2012/11/08(木) 08:43
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1108&f=politics_1108_002.shtml
中国網日本語版(チャイナネット)は7日、中国人による山林や過疎地の購入を阻止する動きが日本各地で見られると報じた。以下は同記事より。
外国人が日本の土地を買うことに反対する日本国民や議員はますます増えている。北海道は外国人の土地購入活動を調査し、1039ヘクタールの森林がすでに購入されていることが判明した。その大部分が中国や香港からの投資である。
「このような状況が増加していることから、当地の市民は水資源の保護と水資源に関連する土地の合理的利用を考えることになった」と高橋知事は説明する。
北海道のある議員は、2010年から同問題をとりあげてきたが、日中関係が悪化すると人びとは議員の意見に関心を持つようになった。
議員のブログには「われわれは代価を惜しむことなく北海道の土地を守らなければならない」とある。議員は「中国人は土地を彼らの同胞に売り続けるだろう。そうなると本当に買主の判別が困難になる」と語った。
北海道の人口は550万人。高齢化がまさに進行中だ。山林所有者の多くが高齢者であり、木材を切ったり土地を開発したりする精力を失っている。彼らは土地を売りたがっている。日本メディアは、中国人の総投資額は想像以上に多く、中国人投資家は日本個人や日本企業の名義を借りて投資を続けていると報じた。
高橋知事は、多くの外国人投資家から質問を受けているが、「同条例が彼らの投資計画を妨げるものにはならないことをほとんどの投資家に対して保証済みだ」と述べている。(完結)(編集担当:米原裕子)
福井新聞:外資の山林買収「国土が死蔵化」 福井で専門家が講演
(2012年11月10日午後7時04分)
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/37942.html
ふくい農林水産支援センターは10日、外国資本などによる山林買収の現状と課題を探る講演会を福井市の県職員会館で開いた。国内の山林売買の実態調査に取り組む東京財団の平野秀樹上席研究員が講演。「外資の買収で山林、土地所有者の匿名化、不明化が進み、国土が死蔵化する」と危険性を訴えた。
平野氏は、北海道や山形、群馬、長野県などでの外資の売買事例があったことを紹介した上で「問題なのは行政が売買状況をつかむ制度がないこと」と指摘。外資の買収目的は水源や木材、リゾート開発への投資が考えられるとし、いったん買収されると買い戻しの交渉は容易でないとした。
また、転売などで山林所有者の匿名化、不明化が進むとし「介入できない土地が増え、地下水なども多国籍化する。水位低下や汚染の問題が起きても、訴訟の相手すら分からなくなる」と警鐘を鳴らした。
外資の買収を止められない要因として「日本の土地制度は所有者の私権が強く、海外に比べて土地の売買・転売がオールフリー」と、法制度の不備を指摘した。また、米国の外国投資を監視する委員会を例に挙げ、国が安全保障の観点で売買を止める仕組みが必要とした。
県内の林業関係者や市町の担当者ら約50人が聴講した。
外資買収の対策をめぐっては、県は市町との連絡協議会をつくって山林売買の情報を共有。売買の事前届け出を所有者に義務づける条例を含めた監視システムの構築を検討している。
【関連の記事】
≫塩漬け用地をメガソーラーに活用 福井市が事業者を募集(10月25日)
≫尖閣買えるなら福井の島も買える? 雄島や水島など可能性調査(10月23日)
≫ダム水源の森林売却へ外資も接触か 地権者は公的機関買い上げ望む(9月4日)
≫大野市、森林買収抑止へ条例 事前届け出を義務付け(7月4日)
≫山林買収監視で県が初の検討委 条例規制など11月めどに報告書(5月22日)
岐阜新聞:虚偽、無届けに過料 水源地域保全、県が条例素案を公表 2012年11月29日09:36
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20121129/201211290936_18722.shtml
県は28日、森林など水源地域の土地取引について事前の届け出制を導入する「県水源地域保全条例」(仮称)の素案を公表した。意見募集を経て、来年3月議会に提出する予定。外資による取得目的が明らかでない森林買収が全国的に顕在化する中、売買情報を把握し、土地所有者に適正な土地利用を助言できるようにする狙い。無届けや、虚偽の届け出をした場合などは、5万円以下の過料を科すことができるとした。
事前届け出制を定めた条例は北海道、埼玉県、群馬県、茨城県が制定しているが、行政処分である過料を規定する自治体は初めて。同届け出の徹底に向けて強い姿勢を示した。
素案によると、水源地域は上水道などの取水地と周辺を対象に、県が関係市町村や外部審議会の意見を聞いて指定。地域内の土地の売主は、売買の30日前までに県に契約の当事者や場所、利用目的などを届け出る。県には届け出者に資料の提出や報告を求めたり立ち入り調査をできる権限も付与。これらを拒んだり無届けや虚偽の届け出をし県の是正勧告にも従わない場合は売主名や不備の内容を公表することもあるとした。
条例は来年4月に施行、水源地域の指定・周知を経て、事前届け出制は10月から導入する計画。
道新:水資源保護目指し審議会 京極(12/15 16:00)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/427192.html
【京極】町独自の水資源保護条例制定を目指す審議会が13日、町公民館で初めて開かれた。学識経験者と町民計9人が出席し、名水として知られる町内の湧き水や地下水の保全に向けて、協議を始めた。
外国資本などからの水源地買収を防ごうと町が企画。初めに山崎一雄町長が「町のかけがえのない財産を、条例を制定して次世代に引き継ぎたい」とあいさつした。
続いて審議会の会長に北大大学院農学研究院の柿沢宏昭教授を互選したほか、町の担当者が町内の森林5ヘクタールがすでに外国人に購入されていることなどを報告した。
審議会は来年3月末までに2、3回開き、条例案を作成する予定。(鈴木孝典)
月間地域づくり 2012.12(第282号):特集 水源地域の活性化に向けて
http://www.chiiki-dukuri-hyakka.or.jp/book/monthly/1212/index.htm
基調論文
「水源の里」の再生課題
小田切徳美(明治大学農学部教授)
北海道中川町
北海道遺産「天塩川」に学び、遊ぶ
石垣寿聰
青森県西目屋村
「世界遺産と水源の里」を発信
西澤 彰
福島県喜多方市
水源の里再生に向け過疎集落支援員
佐藤義弘
群馬県みなかみ町
自然資源を活用したまちづくり
吉田裕哉
埼玉県
水源地域の土地取引に事前届出制
荒木恭志
山梨県道志村
日本一の水源の郷をめざして
佐藤太清
岐阜県白川町
農地維持と森林育成で源流守る
藤井寿弘
京都府綾部市
「水源の里条例」第2ステージへ
谷口 至
和歌山県田辺市
山村地域振興に向け「集落応援プログラム」
鈴木徳久
島根県邑南町
「A級グルメ立町」と「日本一の子育て村構想」
朝田誠司
高知県大豊町
森林資源活用し、「元気な山村」再生へ
岩﨑憲郎
宮崎県小林市
協働により「九州一 安心安全なまち 小林市」をめざして
辛島潤也
副基調論文
過疎対策制度の拡充・確立を求めて
石本将俊(全国水源の里連絡協議会事務局)
鳥取県 水・大気環境課:「とっとりの豊かで良質な地下水の保全及び持続的な利用に関する条例」が制定されました (2012年12月)
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=207896
山陰中央新報:鳥取県の地下水保全条例/森林整備と一体的施策を '12/12/28
http://www.sanin-chuo.co.jp/column/modules/news/article.php?storyid=536446033
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
■当ブログ内関連記事
→
水問題 中国企業が買い漁る北海道の森林 2010-07-22
→
狙われる水源地(1) 「聖地」に伸びる中国の触手 2010-07-27
→
外資が買い漁る日本の森林と水問題 クローズアップ現代を見て違和感 2010-09-10
→
外資による日本の森林・土地取得、水問題 2011年の動き 2011-01-06
→
外資による日本の森林・土地取得、水問題 2012年の動き(1) 2012-02-29
→他、関連記事一覧は
こちら
■その他の関連記事
→
中国人富裕層向け別荘、北海道千歳市に建設(完売) 将来は道内で1000棟目指す…家具のニトリ子会社 2010-04-20
→
今日からビザ大幅緩和 中国人観光客続々 不動産購入ツアーも 2010-07-01
→
中国人の不動産購入 北海道が人気 車の国際免許取得も? 2010-07-21
→
中国人観光ビザ発給5.6倍に 今後さらに要件緩和の可能性 2010-07-29
→
中国人観光客マナートラブル 嵐山の店主ら勉強会 2010-08-25
→
加森観光、中国などアジアの観光客を狙った別荘やコンドミニアムを開発 北海道で 2010-09-11
→
中国の免許で運転OK ビザ不要 外国人の就労規制緩和など・・・特区提案(北海道、九州、沖縄) 2010-10-07
→
中国大使館が都心一等地購入…4月下旬、港区南麻布の約5677平方メートルの土地を落札していた 2011-05-16
→
外国船の直接入港求め、別府港を特区申請…大分県 2011-10-06
→
外国人観光客1万人を日本に無料招待の方針…観光庁 「ピント外れの企画。今からでも止めるべき」…冷泉氏 2011-10-11
→
中国企業がアイスランドで広大な土地取得を目論み、アイスランド政府に拒否される 関連記事まとめ(1) 2011-11-30
→
中国企業がアイスランドで広大な土地取得を目論み、アイスランド政府に拒否される 関連記事まとめ(2) 2011-11-30
→
外国人1万人無料招待、予算認められず 2012-01-06
→
中国の総領事館土地取得問題 新潟市、名古屋市 2012-02-24
→
日本と同程度の免許水準にある中国人観光客がレンタカーを運転できるよう求めている…北海道観光振興機構 2012-05-14
→
在日中国大使館1等書記官、スパイ活動か 警視庁公安部の出頭要請を拒否し帰国 2012-05-29
■
トップページへ
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
■関連リンク
国土交通省:水管理・国土保全
http://www.mlit.go.jp/mizukokudo/index.html
林野庁
http://www.rinya.maff.go.jp/
農水省
http://www.maff.go.jp/
北海道:水産林務部 林務局 森林計画課
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/srk/
総務省イーガブ:外国人土地法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/T14/T14HO042.html (
Wikipedia)