外資による日本の森林・土地取得、水問題 2013年の動き(1) ※1月

2013年1月の報道をまとめました。
2010年、2011年、2012年、2013年2月以降のまとめ、問い合わせ結果、関連リンクについては、
このページ下部に掲載しています。
中日新聞:福井県が水源保全に罰則付き条例案 2013年1月5日 00時55分
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2013010590005547.html
福井県は4日、指定地域の山林を無届けで売買した際に過料を科す「県水源涵養(かんよう)地域保全条例案」(仮称)を発表した。県議会2月定例会に提案する。県によると、罰則付きの条例案が可決されれば全国で初めて。
外国人や海外法人による買収を監視するのが狙い。日本人同士の売買も対象となる。
条例案では、永平寺ダム(永平寺町)など生活用水を取水する県内6つのダムの上流にある森林などを水源涵養地域に指定。域内の土地を売買する場合、所有者が契約の30日前までに知事に届け出るよう義務化する。土地を所有する法人が株式の過半数を取得されて決定権が移った場合なども届け出を義務付ける。
無届けや虚偽の届け出をした場合、氏名を公表し、過料を科す。過料は地方自治法で最大5万円と規定されており、県がその枠内で検討する。県森づくり課は「実効性を確保するため罰則を設けた」と説明。罰則付き条例案は岐阜県も検討している。罰則のない同様の条例は北海道や埼玉県など1道4県で制定済みという。
条例案が可決されれば、4月から水源涵養地域の指定を進め、10月に届け出の義務化を始める。県外で外資による山林買収が問題化し、県は昨年4月、売買を監視するための要綱を設けた。これを条例化することで、規制の強化を図る。
読売 福井:罰則付き水源保全条例 県が2月議会提案(2013年1月10日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news/20130109-OYT8T01513.htm
全国で外国資本による森林買収が明らかになっている問題を受け、県は、水源地の土地所有者に対して土地取引の事前届け出などを義務付ける罰則付きの「県水源涵養(かんよう)地域保全条例」案を2月議会に提出する。4月に施行する方針。同様の条例は北海道や埼玉など4道県で施行されているが、罰則を設けた例はないという。20日までパブリックコメントで県民の意見を集め、条例案に反映させる。(酒本友紀子)
条例案では、生活用水を供給するダムや湧き水がある上流の森林など、水源維持のため保全する必要があるエリアを「水源涵養地域」に指定。土地所有者に▽売買契約前の届け出▽森林法規制外の0・1ヘクタール~1ヘクタール以下の土地を開発する際の事前届け出▽地下水採取時の影響調査の実施や採取計画の届け出――を求める。
このほか、土地を所有する法人が株式取得や出資により別の団体に実質支配された際の事後届け出も義務付ける。
県職員がパトロールしたり、周辺住民に情報提供を呼び掛けたりして、違反がないかを監視。違反した場合は氏名や法人名を公表し、過料を科す。地方自治法では5万円以下と定められており、金額は今後決める。
林野庁が2006~11年に調査したところ、所在地が外国にある法人や外国人による森林買収は計60件、785ヘクタール。目的のほとんどが「資産保有」で、水資源狙いの土地取得や乱開発は確認されていないという。
県では昨年4月、水源地の所有者に取引前の資料提供を求める要綱を設けたが、強制力はなく、ほとんど実績は上がっていなかった。
条例制定の理由について、担当の森づくり課は「不適正な利用があった場合に所有者と連絡が取れなくなることなどを防ぐ必要がある」と説明。別団体に実質支配された際の事後届け出については「確実に違反を把握する手段はないが、条例による抑止効果に期待する」と話している。
県によると、県内の森林面積は県土の74%にあたる31万2000ヘクタール。このうち条例で監視対象となる予定の水源涵養保安林は約9万ヘクタール。
信濃毎日新聞 長野県内ニュース:伊那市、取水規制強化へ 条例改正方針「水資源は共有財産」 01月10日(木)
http://www.shinmai.co.jp/news/20130110/KT130109ATI090010000.php
伊那市は9日、市内での地下水などの採取の規制強化に向け、市環境保全条例を改正する方針を市環境審議会で明らかにした。地下水などを生活や農工業のための「水資源」と位置付け、「地域共有の財産」とする改正素案を公表。取水により周辺の地下水位低下などがあった場合は改善を勧告、命令でき、取水停止も命じられるとした。
伊那市を含む上伊那8市町村などは昨年3月、外国資本などによる水源付近の森林買収を念頭に、地下水などの保全を掲げる共同声明を発表した。上伊那郡箕輪町や、同様の声明を出している佐久地方の北佐久郡立科町、佐久市などが地下水を対象に採取を許可制などで規制しているが、伊那市は表流水や湧き水も適用対象とする方針だ。
改正素案は罰則を盛っておらず、同審議会で市は規定するべきか協議を要請。取水停止命令についても「非常に強い措置」として是非を尋ねた。委員からは「困った時に手を打てるようにしておくべきだ」との意見があり、同審議会は取水停止命令の規定を了承。罰則規定の追加も求めることで一致した。
市はこれらを踏まえた条例改正案を市議会3月定例会に提出、4月施行を目指す。現行条例は一定規模以上のポンプで地下水を採る場合、市の許可を得るよう定めている。
産経:貴重な水源地、森林を守れ 無許可・無届伐採防止へ県監視強化 和歌山
2013.1.17 02:11
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130117/wky13011702120002-n1.htm
読売 石川:森林保全条例に罰則 県提案へ(2013年1月18日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20130117-OYT8T01619.htm
県は16日の県議会環境農林建設委員会で、森林の土地取引に事前届け出制を導入する森林保全条例の概要を示し、違反者への罰則を盛り込むことを明らかにした。2月定例会に条例案を提出、4月1日に条例を施行し、事前届け出制は10月1日から施行する。県によると、これまでに同様の条例に罰則を設けた例はなく、福井県と岐阜県が罰則付き条例制定に向けて準備を進めているという。
県森林管理課によると、土地売買などの事前届け出の対象は、公有林などを除く全ての民有林。森林の権利譲渡者らに、契約締結の30日前までに知事宛てに、氏名や住所、土地の所在地、面積、権利移転後の土地の利用目的などの届け出を求める。届け出をしなかったり、虚偽の届け出をした場合は、氏名や違反の内容を公表し、5万円以下の過料を科す。
近年、中国など外国資本による水源地の土地売買は全国で相次いでいるが、同課によると、県内では確認されていないという。
マル激トーク・オン・ディマンド 第614回(2013年01月19日)
水の話
ゲスト:橋本淳司氏(ジャーナリスト)
http://www.videonews.com/on-demand/611620/002639.php
今年は水についていろいろな側面から考えてみたい。
第一回目となる今回は、世界と日本の水問題の入門編をお送りする。
地球上には70億の人口を養うのに十分な水資源がある。にもかかわらず世界各地で渇水や水不足、それを原因とする飢餓や衛生状態の悪化といった問題は後を絶たない。水資源は、あるところにはあるが無いところには無いという著しい偏在の問題を抱えていて、これが国際的な紛争や水資源争奪の原因となっている。急速に近代化が進む中国では増加している水需要をまかなうために、国際河川の上流部に大規模ダムを造って水を自国に引き込もうと躍起になっているが、関係国との摩擦が生じている。シンガポールはマレーシアからパイプラインを引いて水を輸入する一方で、水ビジネスを手がける国策会社を立ち上げて水の安全保障に取り組んでいる。サウジアラビア系の民間企業がナイル川の上流域で大規模な水プラントを建設して水利権を確保したが、それに反対する地元住民と武力衝突にまで発展しているケースもある。
翻って日本の水資源はどうか。「日本は温暖湿潤な気候で降水量も多く水資源に恵まれている」。ほとんどの人はそう考えているのではないか。しかし水資源問題に詳しいジャーナリストの橋本淳司氏は「日本は決して水資源に恵まれているわけではない」と話す。
年間の降水量こそ世界の平均を上回るが、国民一人当たりの水資源でみると、世界平均の半分程度に過ぎない。日本は雨はそこそこ降るが、急峻な地形であるがゆえに、降った水を貯めておくことが難しい。そのため、輸入食料を生産するために使われた「バーチャルウォーター」も計算に入れると、実は日本は水の輸入国だという。よく日本の食糧自給率が問題になるが、仮に日本が食糧自給率を本気で上げようと思っても、実は現在の日本の食生活を支えるだけの水資源が日本にはない。現在の水資源量のままでは、食糧自給率は頑張っても60%が限界なのだと、橋本氏は言う。
しかし、そうした事情をよそに水をめぐるビジネスは活発だ。飲料メーカーは良質な水源から原価ほぼゼロの地下水をくみ上げて流通させるのに忙しい。消費者も安全な水を求めて水道水を敬遠し、ガソリンよりも高価な水を買っていく。また日本には地下水を管理保全するための基本法がないのをいいことに、外資系企業と組んで日本の水を海外に売り込む動きもあるという。日本では一旦土地を所有すれば、その下を流れる地下水の採掘権も付いてくると考えられている。そのため行きすぎた水資源の開発や利用を規制する手立てがなく、水源地を抱える地方自治体が各々の事情に合わせて条例や要項などを策定して対応しているのが現実だ。
また、日本では公共サービスとして考えられてきた水道事業を、近年は民間に委託する動きも出てきている。世界には水関連事業をトータルで手がけて年間1兆円超の莫大な売上をあげている、通称「ウォーターバロン(水男爵)」と呼ばれる巨大企業が存在しているが、料金値上げや水道利用の差し止めなどをめぐって利用者としばしば衝突しているという。そしてそのウォーターバロン傘下の企業がすでに日本でも水道事業を受託し始めている。行政官庁が合理化・効率化の動きを促している面もあるが、そもそも水道事業が民営化に馴染むのか不明だ。
水は命の源泉である。生命の維持はもちろん、われわれが健康で衛生的な生活を送ることができるのも十分な水資源があってこそだ。しかし、われわれはこれまで水に対して十分な関心を払ってきただろうか。日本ではいつも目の前を水が流れているために、これまでわれわれは少々水という物に対して無頓着過ぎたのではないか。
ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が、水資源問題に詳しい橋本氏と議論した。
奈良新聞 国原譜 2013年1月25日
http://www.nara-np.co.jp/20130125093023.html
第34回「全国豊かな海づくり大会」が平成26年に県内で開催される。その大会実行委員会の設立総会などが先日、奈良市内で開かれた。
同大会は、水産資源の維持培養と海や湖沼・河川の環境保全などを目的として、昭和56(1981)年から毎年、都道府県を巡って開かれている。海なし県なのに、という気もしたが、よく考えれば山、川、湖は海へとつながっている。大きな一つのラインとして、連係して環境保全をしていくことが何より大切なのだろう。
「山・川・海の健全な水循環の形成」など4項目が基本方針に掲げられたが、水資源の保全・確保には力を入れてほしい。
例えば山形県では「外国資本などによる森林の買収や岩石採取などの開発行為による森林の荒廃や良好な水資源への影響が懸念されている」として、現在「水資源を保全するための条例骨子案」について県民から意見を募集中だ。
同県では同51(76)年に「地下水の採取の適正化に関する条例」を制定していたが、時代の流れをにらんでの取り組みなのだろう。
外資に負けずに、水資源をしっかり守りたいものだ。(恵)
読売 和歌山:伐採許可林 旗が目印(2013年1月29日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/wakayama/news/20130128-OYT8T01468.htm
無断伐採による森林の荒廃を未然に防ごうと、県が監視強化策を相次いで打ち出している。今月からは所有者らに対し、伐採現場に県独自の専用旗を掲げるよう求め、県民には旗がない場所での伐採を見かけたら通報するよう呼びかけている。一昨年には世界遺産・熊野速玉大社(新宮市)の所有林で勝手に木が切り倒されており、県は「水源や景観など様々な森の恵みを守りたい」としている。(上田貴夫)
監視を強化するのは、森林法に基づき、伐採したり、売買したりする際に、県や市町村への届け出や許可が必要な34万4900ヘクタールの森林。県内の森林(36万3000ヘクタール)の大部分が対象で所有者は5万人以上に上るため、これまで監視の目が行き届きにくかったという。
2011年4月、地元の森林組合が世界遺産の一部となる速玉大社の所有林0・6ヘクタールを無断で伐採したとして、関係者が文化財保護法違反容疑などで書類送検される事件も起きた。
専用旗は縦50センチ、横70センチ。県に伐採の許可申請が必要な保安林用と、市町村への届け出が必要な普通林(1ヘクタール以上)用など3種類を作成。所有者らに貸し出して、目につきやすい場所に掲げるよう要請する一方、県と市町村の職員は伐採の届け出や申請があった現場を見回り、違反がないか確認している。
また、昨年5月から森林の所有者となった住民らを対象に伐採手続きの方法を通知するなど林業関係者向けの啓発活動も進めているという。
監視強化に踏み切った背景には全国的に外国資本による水源地の森林買収が明らかになるなどし、乱開発や無断伐採の懸念が高まったことがあるという。
県林業振興課の担当者は「だれの手に渡ろうが、むやみな伐採行為を防ぐことで最終的に森を守りたい」と話している。
中日新聞:<壮春グラフィティ>守り続けて100年先へ 森の維持・再生に取り組む 鈴木章さん(53) 2013年1月30日
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2013013002000155.html
(魚拓)
日経:北海道、水資源保全で63地域追加 2013/1/31 21:30
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFC31009_R30C13A1L41000/
道庁は4月、水資源保全条例に基づく保全地域に関し、道内28市町村の63地域を新たに指定する。31日に開いた有識者による水資源保全審議会が、市町村からの提案を審査し決めた。条例は昨年4月に施行。昨年10月に指定した地域とあわせ、保全地域は41市町村115地域となる。
4月に指定する地域の内訳は、上川管内が4市町12地域で最も多く、後志管内4市町村8地域、十勝管内2町8地域が続いた。宗谷、オホーツク両管内で初めて指定地域が生まれるなど、昨年10月に比べ、指定地域の分布が広範囲になったことが特徴だ。
条例では水資源を守るため保全地域内の土地を売買する場合、3カ月前に知事に届け出ることを義務付けている。これまで売買の届け出は2件にとどまっている。
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→朝日新聞の妙な記事 外資による日本の森林・土地取得、水問題について 2013-01-09
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■関連リンク
国土交通省:水管理・国土保全
http://www.mlit.go.jp/mizukokudo/index.html
林野庁
http://www.rinya.maff.go.jp/
農水省
http://www.maff.go.jp/
北海道:水産林務部 林務局 森林計画課
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/srk/
総務省イーガブ:外国人土地法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/T14/T14HO042.html (
Wikipedia)